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日本には良質な木材の産地はいろいろと各地にあるのですが、木曽産の木材はそれが最高品質の良材であることから「木曽の銘木」と言われています。
木曽の山々には桧と桧によく似た椹(サワラ)、槇(マキ=コウヤマキ)、木鼠(ネズコ)、翌檜(あすなろ)が育ち、これらは「木曽の五木」と呼ばれています。桧と椹と木鼠の三木で「木曽の三木」とも言います。
木曽の歴史は、これらの木材と共に歩んできたものです。江戸時代になってから幕府は木曽地方自体の地形による要塞化を恐れる反面、良質な材木の産地であることを重要視し、その警備と管理をお膝元の尾張藩に委嘱しました。以来300年に亘り尾張藩は木曽福島に関所と代官所を設けて、中山道の治安を守るとともに木曽山林の保護育成に努めました。
木曽産の木材は木曽川によって運搬され、また木曽川自身も河口の濃尾平野を豊かにする役割を担ってきましたが、適切な治水対策を施さないと川は当然氾濫します。そのために上流での治山事業はあだや疎かにはできません。尾張藩は上流山地での木材伐採を制限し、特にこの「木曽五木」の伐採を厳しく禁じました。「木一本、首一つ」と言われるほど盗伐等を取り締まったのです。
明治維新以降は、辞官納地から版籍奉還を経て、木曽の山林は国有林(当時は皇室財産の御料林)となり、木曽の一帯では12ほどの営林署の働きによって木曽の山林を保護育成してきました。
日本三大美林の一つである木曽桧(および五木)ですが、今では樹齢300年を越すものは残り少なくなってきています。この貴重な天然資源を今後も守り続けるような施策が求められています。しかし、数が減ったとは言え、これらの自然の恩恵に浴することができる我々が幸運であることには間違いはなく、先達の行為に感謝せねばならないでしょう。
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